エポン舎
by tomoka
ホームページ

中東日記。3
怖い。不安。危ないところへ行くのだという恐怖心をたくさん抱えいざ出発。

函館で私たちを支えてくれたサポーターの方々が壮行会を開いてくれ、
メンバーの皆は家族や知人を呼んだりしていたけれど、
私は結局、両親とわだかまりが残ったままだったので、
壮行会に家族を誘えなかった。
そのかわり、絶対に笑顔で帰ってこようと決めていた。

いざ、しかし。

函館空港を出発するときは、
足がプルプル震えていた‥

現地に着き、いざ自転車で走る‥
全23カ国。総勢230名で自転車で中東の街中を走るのだから、
ものすごく目立つ。
どんな反応を受けるのか内心ハラハラどきどき‥‥


けれども、なんだか様子が変‥?
皆手を振ってくれている‥
しかもアラブ人の女性も男性も子供達も凄い満面の笑顔‥
どんな山奥へ行こうとも、道はすべてアスファルト。
こんなとこで電波が来るのか?と思う山の上でも、
みんな携帯を片手に写メをパシャパシャ撮っている‥!

一番驚いたのは、どの国でも「Welcome!Welcome!」と歓迎してくれ、
話してみると人なつっこくて優しくて、
満面の笑顔で本当に親切に対応してくれたことだった。
みんな「私の国はどうだい?好きかい?」とキラキラ笑顔で聞いてくる。
旅人を持てなす心を持ちなさい。というイスラム教の教えからなのか、
結局、アラブ人の温かさを心底感じた旅となったのだった。

想像とは全く違う状況に拍子抜けした私。
他のメンバーも同じで、なんだか本当に嬉しくて、一気に不安が消えていく‥

丁度、レバノン、シリア、ヨルダン、パレスチナも参加していたので、
シリア人のラーシャに、
「日本では中東やイスラムに関する暗いニュースばかりで、
私も正直、怖さや不安を感じていたけれど、今回来てみて、それは全然違った!」と伝えたら、

「そう思われていることはとても悲しいこと。危険なのは本当にごく一部の地域。
中東というくくりで皆が敬遠されてしまうのは悲しい。」
と言っていたことを思いだす。

ジャパンメンバーの1人である抄ちゃんは、同年代のシリア人ハーラに、
「こんなに人々の笑顔が素敵で明るく暮らしているなんて知らなかった!」と伝えたところ、
「そうだよ!私はテロだってしないし、人も殺さない。明るく生きてるよ!」と、
過去、彼女がロンドン留学中にシリア出身だと言ったところ、
「ゲッ!」という反応をされ、複雑な想いをしていた事実を知った。
世界的にも、ここ中東に対しては危険な報道がほとんどだと教えてくれた。

私が一番印象的だったのはヨルダンの平原を走っている時。
真っすぐな道路、赤茶の土、広い大平原、晴れ渡る青空、遊牧民とロバを横目に、何も無いのどかな風景。
そのときの私の頭のなかには「平和」の二文字がグルグルしていた。
あれだけ、怖いと植え付けられていた場所で、私はおだやかで温かい平和な空気に触れて、
自分の肌で感じることの大切さを心底実感した。
(もちろん全てそうでは無く、一部では過激な場面も多々あるのも事実。)

この旅のあと、初めてトルコへ行くのだけど、
トルコのエキメッキという庶民的なパンは、
イスラム教の「喜捨」という教え(貧しい人には分け与えよ)の精神から、
国で値段が一律に決められていることを知った。
しかも、駄菓子並みの安い値段。
庶民的な食堂やレストランに入ると、パンはたいていこのエキメッキが無料で出てくる。
だから、貧しい暮らしをしている人でもスープだけ頼めば、なんとか暮らして行けるようになっている‥

初めて南インドを訪れたときに知り合ったアジッシュ君。
私にアートビナーレのチケットをくれて、私はその日1日、南インドでの芸術祭を堪能して、
一生忘れることの出来ない想い出を作れた。
そして帰る日には、友達を連れて、わざわざ宿までお別れを言いにきてくれた。
彼もまたムスリムだと後で知った。


今、話題のイスラム国と、イスラム教は全く違うものだと考えることが出来るのは、
こうした経験があるからだ。

いま、話題のイスラム国っていう団体組織の人たち。
そもそも名前の訳し方がややこしい。
Islamic state(イスラミックステート)とそのまま組織名として報道してくれるといいのになあ‥

純粋な祈りを捧げているムスリムや、私が出逢った心やさしいムスリムと誤解されないためにも。

そもそもイスラム教の教えには、
「人を騙してはいけない」
「人の物を盗んではいけない」
「人に危害を加えてはいけない」などの教えがある。

これら全て、見事に当てはまらないイスラム国という組織のやっていること。
彼らは本当にアッラーの望んだ行いをしているとは到底私には思えないけれど、
そこまで過激になるにはちゃんとした理由があることも何となく理解できる‥
イラクの安定した国づくりがきちんと進まないこと。
シリアの内線が終わらないことには、きっとやりたい放題‥
それだけ隙があり、情勢が整っていないところに根本的原因がある‥

イラク、シリアがお父さんお母さんだとしたら、
イスラム国という組織は、愛情を受けずに育った、
思春期&反抗期真っ盛りの不良少年。のようなイメージを想像してしまう。

イスラム=危険、過激、戦争。
のイメージをつけると、どこかの誰かが都合がいいのかもしれないけれど‥
やっぱり、中東の平和を願いたい。

テレビやマスコミが報道するのは、
決まって極めてごく一部の部分。
危険で、不安要素の多い場面を切り取ろうとする。

私たちが中東から帰ってきて、
某テレビ局に取材を受けた時もそうだった。

私たちが伝えたかったのは、
アラブ人の笑顔と心底優しい部分。
明るくたくましく生きている様子で、
思っていたイメージと180度違う部分。

けれど。
いざテレビのニュースとして流されたのは、
壁に残る弾丸跡や、像の腕が壊れている様子が映し出された映像で、
自分たちが伝えたい物とは異なっていた。(後で皆でクレームしたほど。笑)


そのときから、
自分の目で観て、聞いて、感じて、触れたことは、
何にも代え難い真実になると、信じている。

[PR]
by pazarbazar-yome | 2015-01-25 23:57 | Diary | Comments(0)
<< 実家。 中東日記。2 >>


カテゴリ
全体
Diary
I made Sweets&Drink
アーユルヴェーダ
絵+デザインの作品例
未分類

以前の記事
2017年 07月
2017年 06月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月

その他のジャンル

画像一覧